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怒りが消えた代わりに脱力していると、明之が言った。 「それじゃ史彦の願いも叶えようか」 「……何言ってんの?」 まさか、戻ってくるとか? ……でも引っ越すにしても、時期がおかしいだろう。 だから期待はしないけど。 そう言うと、再び彼はにやにやしだした。 「向こうではさ、新年度は秋からなんだよ」 だから帰ってきたんだ。と、そう言われた。 ちょっと待て。 しかも、帰ってくるではなく、帰って『きた』? 「……もう行かないの?」 「行かないよ」 ただしおばさんたちは1回また戻って、 その間は、明之だけ日本に居て、 ホテル暮らしをする予定だったらしい。 「……言えよ……」 もうなんだよ、ほんとに。 「知ってると思ってた」 母さんが言ってるものだと思ってたと。 そういやそうだ。 言ってくれればよかったのに。 「多分さ、わざとではないだろ?」 「……そうだと思いたいけど」 それ以前に。 「さっき、どう考えても気づいただろ」 俺が、知らなかった事に。 「うん」 なのになんで教えてくれなかったんだ。 「言えよ!」 「ごめんなさい。 可愛いしおもしろくてつい」 色んな意味で酷い。 酷いけど、許せる。 ちゃんと謝っているんだし。 もっかい脱力した俺は、再び布団にもぐりこんだ。
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