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しばらくして、スーパーの車はなくなっていた
多分、女が知らせたんだと予想がついた
そして、女とまだつながっていることも確実だった
母は、意を決して女に会いに行ったらしく、『スーパーに行ってくる』と言い残して出掛けた
実際は1時間くらいだったろうが、結果を待つのが辛くて長かった1時間だった
あんなに家族をないがしろにしている父親だったが、離婚となると、なんだか切なかった
母が帰宅したが、女はシラをきり、口を割らなかったようだ
母はわたしに
『こんなこと、本当は頼みたくはないんだけど、末っ子のあんたから聞いたら、あの女も言うかもしれない 嫌だと思うけど、聞いてくれない?』
母は切なそうな顔で、申し訳ない様子で言った
わたしは少し考え、ふたつ返事で答えた
『明日、女に話をつける』
今まで、父親を探す手伝いも、金銭的な協力もできずにいたため、わたしにできる唯一のことだと思い、引き受けた
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