父親の記憶

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今はもう苦手にしか思えないが、小さい頃は父親とコミュニケーションを取ろうと、小さいなりに考えていた その日は父の日で、何を買えばいいのかわからなかったため、悩んだあげく、母の日のように花を買った お小遣を少しずつため、2~300円の安い花束を買った 二日酔いで遅くまで寝ている父親を起こしたくないけれど、わたしは花を見てほしくて、緊張しながら声をかけた 『お父さんは疲れているからあとにして』 とてもショックを受け、泣いていると 『うるさい 泣くなら向こうで泣いてくれ』 泣きながら、わたしは部屋へと戻った それから、それまで以上に父親とコミュニケーションが取れなくなってしまった
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