生徒会と対面

18/22
874人が本棚に入れています
本棚に追加
/325ページ
さっきの声の主。副会長は俺が視線を他所に向けていることに気付いたみたいだ。俺以外の誰にも分からないくらい少しだけ、口角が上がっている。 「…久しぶりですね。どうしてこっちを見ないのです……留意?」 副会長が突然そんなことをこっち向いて言えば、自然と周りの視線は俺に集まる。 「………お久しぶりです。『留彼先輩』。」 俺はなるべく『普通に』応えた。でも、恐らく顔は固まっているだろう。無表情で。 内心では凄く焦っていたが、周りにバレるわけにはいかない。 頼むからさっさと話しをミーティングに戻せ…!! 「その様子だと、また私の名字を忘れたみたいですね…。まぁ、いいでしょう。 そういえば自己紹介でしたね。ご存知でしょうが、私は生徒会副会長の今泉 留彼(いまいずみ るか)といいます。1年間宜しくお願いしますね。」 そう言うとアイツは綺麗に微笑んだ。 まるで仮面のように。
/325ページ

最初のコメントを投稿しよう!