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「こ…今年度、編入してきました。た…た、多々良 時雨れす。」
あ、噛んだ。
いや、それは置いといて。
今ステージに上がって挨拶している新入生。
どっからどう見ても
『平凡』
である。
なんか、その辺歩いてたらフツーにいそう。
「なんか、平凡だね…」
「悪いとは言わないけど……」
「中の中。いや、中の中の上…?」
まさかの三段階評価を受けている。てか、それって要するに『中』じゃあ…?
講堂がまた段々とざわつき始め、それにつれて平凡君(←勝手に命名)は落ち着きをなくしていっている。
「え…と、き、あ、いや、本日は私達新入生のためにこの様な立派…じゃない、素晴らしい…あれ、これも上から目線?…」
……あれ、挨拶の言葉考えてきたのか?
そう言えば俺って入学式のときの挨拶っていつ考えたっけ?なんか、理事長に「忘れてた!!」とか言われて前日に急いで考えたような……
…いや、まさか。
さすがに前日までには言ってるよな。
でもじゃあ、入試トップとかとるような奴が挨拶をあそこまで考えてないわけが……
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