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「ねえ棗っち!」
「なんですかー?」
「お花見しようよ!!」
「……先輩、もう四月終わりますよね?」
「うん」
「校庭を見てください」
「うん?」
「桜の花びら、残ってますか?」
「……ううん。残ってない……」
「ですよね?お花見は無理そうですね」
「葉桜!!葉桜を見よう!!」
「……毛虫とかいますよ?」
「むりむりむりむりむり!!」
「……」
「……」
「お花見は諦めましょうか」
「……うん。でも棗っちと見たかったなー」
「先輩、卒業式くらいに桜咲いてから帰り道に散々見ましたよね?」
「そういえば、そんな気がする……」
「気がするじゃなくて、見たんですよ」
「……ううー。もう一回見たいの!!」
「なんて我が儘な……」
「見たい見たい見たい見たいー!!」
「……芝桜」
「え?」
「芝桜ならまだ見れると思いますけど……」
「見る!行く!早く!帰り道に寄って行こう!」
「本当に単純ですね……」
「ん?なんか言った?」
「なんでもないですよー。先輩?」
「なにー?」
「綺麗だといいですね」
「うんっ!」
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