プロローグ

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 閉じていた目を開けた。 頭に着けていた電極パッドを外してもらう。  「 それでは、5階層の講義ルームに向かってください。他の皆さんが揃い次第教官が来ます。  それと、体がちょっとフワフワする感じになっているかもしれません。異常ではないので安心してくださいね。」  分かりましたと看護師さんに返し、横になっていたベッドから降りる。  フワフワというか、体が軽い。空も飛べるかも。 ……  僕はカードキーを差し、地下37階から地下5階へエレベーターで向かう。 水面が波に合わせて輝く養殖湖、 建物が立ち並び、人々が行き交う居住区、 畑が広がり、家畜が牧場で草を食んでいる農場、 エレベーターのガラス越しに景色が変わっていく。 11階からガラスが無くなり、外が見れなくなる。 一般の人は、11階から上には行けない。 乾いたベルの音が鳴り扉が開いた。 目の前には、灰色のビル群が建ち並んでいた。 まぁ、ビルの中には誰もいないんだけどね。
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