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「……で、用ってなんだよ? わざわざエリアまたいでまで話すような事なのか?」
「いやー、そんなに重大な話っていう程でも無いんだけどな。暇だったからついでに来ようと思って」
碧也は笑いながら片手を頭の後ろにあててそう答えた。
普段からそうだが、コイツは少しマイペースな所があり、それで振り回される事も多々ある。そんなにひどいワケでは無いが、いい迷惑だ。
「ったく、この時間帯は俺がまだ支局にいるってお前も知ってるだろ? やることが終わってたから良かったものの……」
「まぁまぁ、そうふてくされないでくれよ、一応用はあるんだからさ」
碧也は片手で制すような仕草をしてなだめようとする。
溜め息混じりに愚痴ってた俺は気持ちを切り替え、碧也の用を済ます事にした。
「んで、本題に戻るけど。その用ってのは一体何なんだ?」
「実は紹介したい人がいてな。今そこのコンビニの中にいるんだけど……」
「紹介したい人?」
「ああ、ちょっと連れて来るから待っててくれないか?」
「おう、別に構わねーけど……」
そう言うと碧也はコンビニの中へと入って行った。
戻って来るまでの時間の間、俺はコンビニの隣にあったすぐ近くのビルに寄りかかり、碧也を待つことにした。
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