―能力取得― ability acqusition

13/46
前へ
/135ページ
次へ
「……で、用ってなんだよ? わざわざエリアまたいでまで話すような事なのか?」 「いやー、そんなに重大な話っていう程でも無いんだけどな。暇だったからついでに来ようと思って」 碧也は笑いながら片手を頭の後ろにあててそう答えた。 普段からそうだが、コイツは少しマイペースな所があり、それで振り回される事も多々ある。そんなにひどいワケでは無いが、いい迷惑だ。 「ったく、この時間帯は俺がまだ支局にいるってお前も知ってるだろ? やることが終わってたから良かったものの……」 「まぁまぁ、そうふてくされないでくれよ、一応用はあるんだからさ」 碧也は片手で制すような仕草をしてなだめようとする。 溜め息混じりに愚痴ってた俺は気持ちを切り替え、碧也の用を済ます事にした。 「んで、本題に戻るけど。その用ってのは一体何なんだ?」 「実は紹介したい人がいてな。今そこのコンビニの中にいるんだけど……」 「紹介したい人?」 「ああ、ちょっと連れて来るから待っててくれないか?」 「おう、別に構わねーけど……」 そう言うと碧也はコンビニの中へと入って行った。 戻って来るまでの時間の間、俺はコンビニの隣にあったすぐ近くのビルに寄りかかり、碧也を待つことにした。
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加