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――レインヴェル。
昔、多くの国が起こした戦争によって住む土地を失った人々が手に入れた、『エターナル』の力によって生まれた巨大な島だ。
その島では『リリーフ』という組織が作られた。……一昔前の言葉で言ってしまえば、警察と同じような役割をする組織だ。
そして、俺が今いる所は『リリーフ第7支局』
その建物のとある一室、
部屋の中に、さらに全面ガラス張りで隔離された実験を行うような部屋の中に俺はいた。
「検査対象、貴堂 蒼大。準備はいいな?」
「はい、いつでもどうぞ」
「よーし、それじゃあ右手を前に出して」
スピーカーから指示が聞こえた。
俺は言われた通りに電極がペタペタと貼り付けられた右手を目の前にある測定パネルへとかざす。
「目を瞑って、意識を一点に集中しろ」
目を瞑り、能力を使う事に意識を集中する。
「準備は出来たな? そんじゃ、測定開始っと」
ピッ、と目の前の機械から音が聞こえた。
「――――――ッ」
パネルの前にかざした右腕に力を込める。
これは能力が、というよりは核(コア)がきちんと正常に動作するか検査しているのだ。
主に身体に異常がある人や精神が不安定だったりする人が行うものだ。
……別に俺が何か障害を抱えているワケではない。どちらかというと前者の方だ。
俺の身体は、
少しばかり特殊だった。
ピピーッ、と測定終了の音が鳴り、その音が鳴り止むと共に手を下ろした。
「はいお疲れー、今日の検査は終了だ。10分くらいしたら俺の部屋まで来てくれ」
再びスピーカーを通して、のんきな声をした男が話しかける。
「ふぅ……、お疲れ様です。今回の結果、一応先に教えてくれません? 多分同じだと思いますけど」
そう言うと、既に検査の結果が出ているためか、すぐに返事が返ってきた。
「まぁそうだな、変化は無し。ランクFの0%だ」
「…………やっぱりか」
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