34人が本棚に入れています
本棚に追加
この島では「核(コア)」という物質が開発されている。
……なんでも、エターナルを参考に作り出した、言うなればエターナルの小型版の様な物だ。
しかし、エターナルの大きさは一軒家を覆い尽くしてしまう程なのだが、コアはエターナルとは逆にとても小さい。
例えるならピンポン球とほぼ同じだ。
エターナルはこの世のあらゆる万物を生み出せるが、ここにもコアには大きな違いがある。
コアの最大の特徴、
それは超能力を使う事が出来るようになるのだ。
コアを肉体に埋め込むと、肉体とコアが共鳴し、能力が使える体質へと変化する。
まずコアを肉体に埋め込んだ際、自身の身体に様々な変化が起こる。
驚異的な筋力の上昇。
他にも反射神経や思考回路における脳への影響もある。
主に能力を使えるように適応するため、その能力に応じて筋力や瞬発力などが上昇するケースが多い。
個人差はあるが、コアを手にした者は確実に一般人とは異なる領域へと足を踏み入れる事になる。
だが、
俺は少し違っていた。
コアを『持っていない』のだ。
持っていないのなら手に入れればいいと思うだろうがそういうワケではない。
俺の身体にはコアが無いのに、『コアの所持者と同じ』反応が示されたのだ。
さらには身体能力の上昇も起こっていた。
身体能力の上昇はただ筋トレなどをして鍛えた物とは比較にならないものだ。
誤差が起きたワケではないという事はすぐに分かった。
コアがあるようで無いようなこの状況をなんとかするため様々な人達に診てもらったが、結果はさっぱりだった。
そして結局能力は使えないままなので進展もなく、今に至るワケである。
***
最初のコメントを投稿しよう！