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「お兄ちゃん。私、先にお風呂入ったから入っていいよ。」
濡れた髪の毛をゴシゴシとタオルで乾かしながら、お兄ちゃんの部屋に入る。
相変わらずバレーボールやら漫画やらで散らかっている部屋にはもう慣れた。
お兄ちゃんはベッドに仰向けの状態で携帯をいじっていた。
「お兄ちゃ~ん?」
私はお兄ちゃんのそばに行くと携帯の内容を覗きこんだ。
「な、何だよ?」
「ううん。もしかして彼女出来たのかなって…」
「んなワケないだろ。今はそれどころじゃねーよ。」
そう言って私の頭をポンと叩くとベッドから起き上がった。
お兄ちゃんは明日の朝練の内容を部員全員に送っていた。
お兄ちゃんは制服のネクタイを緩めると、ぽつりと呟いた。
「俺が部活を盛り上げね―と。他の奴らが頑張ってる分、俺がしっかりサポートしねぇと…。」
見慣れた大きな背中からじんわりと熱い思いが伝わってくる。
「西南高校男子バレー部のキャプテンは俺だからな。」
「お兄ちゃん…。」
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