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お兄ちゃんはお兄ちゃんで、ちゃんとキャプテンとしての自覚を持っているんだ。
いつも家ではシスコンで、学校ではただのバレーばかだとは思ってたけど…。
今日のお兄ちゃんはかっこいいよ。
私は部屋を出て行くたくましい背中を見て思った。
生徒がポツリポツリと登校し始めた時、男子バレー部はすでに朝練を始めていた。
今日は本当に蒸し暑くて部員が熱中症にならないか心配だ。
「お兄ちゃんとヒロはあと一周~っ!!」
私は2人が前を通った後思い切りピ―ッと笛を吹いた。
いつものことなんだけど、こうやって走り込みの時はいつも2人は争っている。
汗だくになりながら一生懸命走っている二人を見て、ダメだと思っていても笑いがこみ上げてくる。
「っしゃぁ―!!今日もいちば―ん♪」
「くっそぉ~!!先輩たまには手加減してくださいよぉ…」
結局今日も勝ったのはお兄ちゃんで、ヒロはぜ―ぜ―息を整えながら悔しがっていた。
「2人ともお疲れ!!」
私は用意していた冷たいタオルを2人に渡した。
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