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「なぁ、ヒロは彼女作らないのか?」
「彼女ですか?何ですか急に」
他の走り終えた部員にタオルを渡しながら二人の話に耳を傾けてみる。
…お兄ちゃん変なこと言わないでよね。
しかし私の予想は的中し、お兄ちゃんは信じられないことをヒロに言い出した。
「好きな人いなかったらさ、こずえの彼氏になってくれよ―。ヒロが彼氏だったら俺は大歓迎なのにな~…ってこずえ!?」
「お兄ちゃんのいいなりにはならないから。」
私はお兄ちゃんの頭に一発食らわせてやった。
半べそをかいているお兄ちゃんの隣に座っているヒロに目を向けると顔が真っ赤っかだ。
「ヒロ、大丈夫?スッゴい焼けたね。」
「あ、ああ。そうなのかも。」
ヒロは慌てて冷たいタオルを顔全体にかぶせた。
お兄ちゃんが急に立ち上がった。
「おいっ!!河野!!お前大丈夫か!?」
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