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「よし、今日はあがろうか。」
監督の一声で部員のみんなが背筋をピンと伸ばし深々と頭を下げた。
「ありがとうございましたっ!!」
みんなが一斉に片付けに入る。
私は体育館に散らばっているバレーボールを集めた。
外はもう真っ暗。
時計は午後の8時を過ぎていた。
「おいおい、二年!!そこで着替えるなっ!こずえが目のやり場に困るだろ!!」
体育館の真ん中で練習着を脱ぎだした後輩にお兄ちゃんが怒っている。
原田拓真(たくま)。高三。
私のお兄ちゃんで、この西南高校男子バレーボール部のキャプテンでもある。
西南高校は部活動が盛んで、特に男子バレーボール部は全国上位の強豪校だ。
そして、私がそんな男子バレーボール部のマネージャー。
原田こずえ。高一。
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