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阿弥浜線・・・
そこに沢山の不良達が一人の青年に話していた。
「この町から出てくってマジですか!?」
「何も一人で背負うことないじゃないッスか・・・」
不良がしょんぼりすると、青年はため息をついた。
「おいおい、何をカンチガイしてんだ?オレはオレのやりたいようにやってるだけなんだよ」
「それでも・・・」
不良達が悲しそうな顔をして俯くと、青年はめんどくさそうに頭を掻いた。
「・・・ったくよーお前らウゼェんだよ・・・一人じゃ何もできねーからって人に頼りやがって・・・これ以上お前らに話すことなんて一言も残ってねーんだよ」
そう青年が言うと電車が入ってきた。
「お、来たな・・・じゃあな・・・せいぜい元気でやりやがれ」
青年が電車に乗ろうとすると、不良達が叫んだ。
「成瀬さん!」
「成瀬ーっ!!」
成瀬と呼ばれた青年は入り口で立ち止まり、目を閉じて何かを考えると
「・・・さーて、行くかぁ!」
電車に乗り込んだ。
一人の少年が新たな街へと旅立った。
少年が向かう地は広大な【阿弥浜市】
港から延びる【阿弥浜線】の沿線は駅ごとに異なる顔をのぞかせる。
この地には今、暗雲が広がりつつあった。
そして、後に語り継がれる【伝説の漢】の
第一章の幕もまた、切って落とされようとしていた。
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