序章

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成瀬はとある駅で降りた。 「鶴目駅・・・転校する学校があんのはここ・・・だよな?丈二おじさん、迎えに来るっつてたけど・・・」 辺りを見回すと、グラサンをかけた男がやってきた。 「おー、直人!久しぶりやなー!ずいぶん待ったでぇ!」 「あ、コンチワ・・・お久しぶりス」 「あのションベン小僧が大きゅうなったなあ!何年ぶりや?」 「ションベン小僧は勘弁してくださいよ、丈二おじさん・・・いくらおじさんもぶっ飛ばしますよ・・・」 成瀬が睨むと丈二は笑った。 「ずいぶんとヤンチャしてこっち来たらしいやないかい?」 そう言うと成瀬は俯いた。 「まぁ・・・いろいろあって・・・」 「ええんや、ええんや!男はそんぐらいやないとあかん!」 「はぁ・・・」 「父ちゃんからも『よろしく頼む』って聞いとるで!ワシの家も、自分の家と思って来てくれたらええからな」 「どうせ、やっかい払いッスよ・・・あのクソ親父・・・」 その言葉に丈二がキレた。 「おい!もう一回言ってみぃ!」 「え・・・?」 「自分の父ちゃんをクソとはなんや?バカにしたらあかんやろがぃ!父ちゃんがおるからお前がおんねんでぇ!お前は一人で大きゅうなったんとちゃうんやぞ!感謝こそすれ、バカにしたらあかんやろがぃ!」 「す・・・すんません」 「わかったらええんや。我が甥っ子ながら心配やでしかし・・・まさか、喧嘩の礼儀も知らんとヤンチャしとたんちゃうやろな?」 ・ いや、さすがに知ってます!←ピッ ・えーと・・・いちおう聞いておきます 「よーし、ほいたら、ウチに行こか。疲れてるやろし、部屋でゆっくり休んでから学校行ったらええわ!」 そう言うと丈二と成瀬は下鶴目へと向かった。
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