第一章:出会いと別れと新天地

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「誰?」 引っ張られる方に目をやっても誰も居ない。辺りを見回しても件の狼が居るだけ、となるとやっぱり原因は 「こ、今度は何をしようっての?」 「何を言ってる?お前こそ変な動きしてどうしたんだ」 「何をって、何か引っ張ってどこかへ連れて行こうとしてるじゃないか!」 「引っ張る?連れて行く?そんなこと俺はしてないぞ」 引っ張る力はどんどん強くなるし、なんだか視界もぼやけてくるし、そっちが何もしてないって言うなら一体これはなんだって言うんだ 「違うって言うならなんとかしてよ!」 「確かに妙な力は感じるがそれを俺に言われてもな。とにかく踏ん張って見ろ」 「無責任な事を言わないでよ」 とにかく言われるがままに足を踏ん張ってみても、見えない力はどんどん力を増し、踏ん張る力より強く引っ張ると、まるで僕を飲み込むかのように見えない何かに吸い込んで行った 「うわぁ!」 「あ、待て!」 吸い込まれた先は何も見えない真っ暗闇で、とにかく何でこんな所に居るのか、そもそもこれからどうなるのか、訳が分からない物の連続。怖くて僕は必死に目を瞑る事しか出来なかった
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