秘密裏実行団

10/13
前へ
/88ページ
次へ
一連のやりとりを黙って聞いていた僕だが、 実は半分夢の中。 会議中なのは重々承知だが、連日の徹夜のせいで寝不足だった。 っというか、なんでまた僕が狙われているんだ…個人情報でも盗み出そうとでもしたのか? はぁ…馬鹿だな、この僕が直々に開発した 対ウイルスプログラムが破れる訳ないだろう。 師匠ならともかく、ここにいる全員にも勝つ自信がある。 一体誰がそんな命知らずなことを……。 「ちょっとー、ルドルフ?聞いてる?ねぇ。」 小声で、小突きながら僕を呼ぶラルフの声に、意識が覚醒する。 あ……しまった、会議中だった……。 「……悪い、何の話だ?」 「えー、まさか寝てたの?しょうがないなー…。 ノイラートの親戚が経営してる学園でもサーバートラブルが起きてるから、一度こちらで出向いてみたらどうかって。ルドルフが持ってきた件と関わりがあるかもしれないからね。 だから空いてる要員がいないかって聞かれたんだよ。 ま、なるべく実績もあって若い人って言われちゃったから、僕のところにはいないんだけど。」 肩を竦めて言うラルフに、「だから好きで巻き込まれんじゃ……」と反撃しようとし、 ふと、気づいた。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

174人が本棚に入れています
本棚に追加