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一連のやりとりを黙って聞いていた僕だが、
実は半分夢の中。
会議中なのは重々承知だが、連日の徹夜のせいで寝不足だった。
っというか、なんでまた僕が狙われているんだ…個人情報でも盗み出そうとでもしたのか?
はぁ…馬鹿だな、この僕が直々に開発した 対ウイルスプログラムが破れる訳ないだろう。
師匠ならともかく、ここにいる全員にも勝つ自信がある。
一体誰がそんな命知らずなことを……。
「ちょっとー、ルドルフ?聞いてる?ねぇ。」
小声で、小突きながら僕を呼ぶラルフの声に、意識が覚醒する。
あ……しまった、会議中だった……。
「……悪い、何の話だ?」
「えー、まさか寝てたの?しょうがないなー…。
ノイラートの親戚が経営してる学園でもサーバートラブルが起きてるから、一度こちらで出向いてみたらどうかって。ルドルフが持ってきた件と関わりがあるかもしれないからね。
だから空いてる要員がいないかって聞かれたんだよ。
ま、なるべく実績もあって若い人って言われちゃったから、僕のところにはいないんだけど。」
肩を竦めて言うラルフに、「だから好きで巻き込まれんじゃ……」と反撃しようとし、
ふと、気づいた。
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