学園で遊べるか否か

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「ここが……啓凰-ケイオウ-学園……。」 僕、ルドルフ=フォン=ヴァルトブルクは今、潜入先の啓凰学園に来ている。 啓凰学園は夏期休暇に入っていて、僕を不審がる生徒もいない。 門のところにあるインターホンを押し、応答を待つ間、ここに来るまでのさまざまな困難を思い出した。 ……まず、潜入先が海を越えて、日本だということ。 まぁ、日本語は前に勉強して話せるから心配はしなかったけど。 次に、思った以上にディーター局長が過保護だったこと。 あと、ペットのマルク(虎)の世話を誰がやるか揉めたこと。 これは結局、というかやはり、アルトがやってくれるそうだ。 最後に、日本の夏期休暇が長いこと。 すぐに移動かと思ったのに、とんだ肩透かしをくらった。 ……そういや、忍者に出会わなかったが…もしかして、いないのか? なんて、本気で思ったわけがない。 違うぞ。 結果こうして学園に移動となったのは、夏期休暇が終るころ、8月の末のことであった。 ……インターホン、出ないな。
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