学園で遊べるか否か

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「おはようございます。編入してきた氷野伊織です。」 ベンチに座って本を読んでいる、白い制服の人に話しかけると、綺麗な黒髪に眼鏡を掛けた所謂''イケメン''が、僕を見上げた。 「あぁ、おはようございます。私は啓凰学園副会長の、桜葉 優晴-オウバユウセイ-です。理事長室まで案内しますね。こちらです。」 副会長に促されて、一緒に道を歩く。 ーーー桜葉優晴、17歳三年生。啓凰学園生徒会副会長で、桜葉コーポレーションの後継。 黒髪を緩く縛って、銀縁眼鏡を掛けている。 身長は170くらいか? あと"龍御-リュウオン-"という族の副リーダーで、通り名は"ユウ"。 その他、物事を揉み消すのが得意。 婚約者は既存。 えーっとあとは……、こんなもんか。 そのまま黙って歩いていたが、豪華な校舎内に入ったとき、副会長が話しかけてきた。 「氷野君は、どうしてこの学園へ?家庭の都合とはいえ、偏差値の高くて閉鎖的なところに来るなんて、珍しいですね。」 ……いきなりそういうの聞いてくるのか? これが副会長、ねぇ……。 「……家の都合、でして…。ここ、寮がありますし、衣食住には困らないかと思いまして。」 「そうですか……。」 会話が途切れて、副会長は困った顔をしている。 ……が、きっとこれは表向き。 腑に落ちない、って顔してる。 そうだろな、僕がここに情報として送ったのは完全なる偽造だから。 しかし、曖昧にしたのが悪かったのだろうか。 まさか直接聞いてくるとは。
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