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「これ、今日のスケジュールとあなたに確認して欲しい書類です。それと、15分後に局長たちを交えた会議がありますから、さっさと行って下さい」
そうだったか…?
とゆったり体を起こし大きな欠伸をする少年に、そうですよ。とアルベルトは返す。
「早く行かないと遅れますよ。それと、サボらないように」
「はい、はいはい」
そうしてゆっくりとした動きで部屋を出て行く茶色い頭に、「『はい』は一回ですと何度も……」と小言を垂れながら見送った。
そんなアルベルトに、周りはヒソヒソ……
「まーたアルベルトさんが小姓始めたぞ」
「あぁ、やっぱあの二人…」
「おい、馬鹿なこというなよ。あの冷徹非道のアルベルトさんがそんな可愛い感情…」
もちろん、地獄耳を持つと噂されているアルベルトに聞こえないはずもなく。
「そこ、聞こえてますよ」
仕事をしない人には、お仕置きですかねぇ…
普段見せない、にっこりとした笑みで言うアルベルトに、社員の男たちは震えあがった…
「無駄話なんてしないで、仕事、しましょうね」
「「「は、はいー!!」」」
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