秘密裏実行団

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ーーーーーー ーーー 「あ"~っつい……本当暑い…」 アルベルトに部屋を追い出されて、僕は今、会議室へ続く廊下を歩いている。 廊下に冷房機なんかがあるはずもなく、エアコンが壊れた部屋と同じ温度の廊下をのろのろと歩く。 ……廊下の窓は既に全開だ。 っと、会議室に着くまでに自己紹介をしておこう。 僕の名前は、ルドルフ=フォン=ヴァルトブルク。 ヴァルトブルクの姓を名乗ってはいるが、実は養子としてこのヴァルトブルク家にいる。 僕の本当の両親は、僕が五歳のときに父の浮気が原因で離婚、母は僕を実家において出て行ってしまった。 父は、翌年まで僕を一人で育ててくれたが、会社が倒産したのをきっかけに賭博へ漬け込み、多額の借金を抱えて夜逃げした。 両親に捨てられた僕はそのまま母の実家に引き取られたが、8歳のときに二人とも事故に巻き込まれ他界した。 壮絶な幼少期で見事にグレ、 12歳の時に偶然出会った師匠に、社会での生き方というものを教わった。(これが真っ当な生き方ではないと知ったのは、ずいぶん後のことだ。) その行動がある業界を騒がせ、目をつけられた。
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