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「私の会社に入らないか?もちろん、給料は出すし特待で扱わせてもらう。
君にとって、悪い条件ではないと思うんだ。
是非、考えておいてほしい。」
13歳の夏、師匠とファミレスで悪質情報サイトを潰して遊んでいた時に、見知らぬ男にこのセリフと共に名刺を渡された。
この男がカッチリとスーツを着こなしていたから、最初は警察か何かかと思い身構えていたが、その男はそれよりももっと大きな存在だった。
その証拠に、
「あいつァ、ドイツ内の大きな情報機関の局長だ。」
と、師匠が神妙な顔で僕に言った。
僕はてっきり、師匠がスカウトされたのかと思ったのだが、なんとその男は僕に入社を求めてきたのだ。
…13歳の僕に。
そんな危ない真似を、親代わりであった師匠が許すはずがなかった。
その会社に直接足を運び話し合った結果、なんと局長さんが僕を養子に欲しいと言ったのだ。
いつまでも師匠にお世話になっている訳にもいかないよな…と苦渋の決断により、
僕は秘密政治警察に入ると同時に、局長ディーター=フォン=ヴァルトブルクの養子となった。
そして着々と実力を伸ばしていった僕は、秘密裏実行団団長の座まで登りつめ今にいたる。
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