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ドアの向こうで話し声がする。
この声は…
「真桜、ごめん、ほっといて」とドア越しに部屋から言う。
「美桜、まだー?」
「入っていいよ」とドアをあける。
「やっときたか」
「輝の彼女だってー」
「うるせえっでてけ真桜!」
「はぁーい」と輝に言われて渋々出ていく真桜に乃愛はこう言った。
「誰、あのこ」鋭い目つきで真桜の出ていったドアを睨み付ける。
「真桜。前に話したことあったよね?…双子って」
「ふーん…」
「どうした?」
「乃愛?」
「え、あ、ごめん。可愛いなぁって」
「それって私が可愛くないって事?何か失礼ー…」
「そんなことない!浜咲家はいいなーって」
「何で?」と輝。
「だってさ、可愛い双子がいて、隣の家には輝くんがいて、お母さんは優しそうで」
「でも私、乃愛が思ってるような感情とか持ったことないし、何も心配しなくて大丈夫だよ?ただの幼なじみだし。ね?輝っ」
「おう。もちろんだ。俺には乃愛しかいねーしな」
「あり…がと…っ」
「は、ちょ、何で泣いてんだよ!?」
「嬉しくて…っ」
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