私は君の幸せを願うよ。【現在】

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泣いている乃愛をなだめる輝を見て思った。 輝のクセにかっこよすぎなんだよバカ…。 恋愛感情は…一度だけあるかもしれない。 友達以上恋人未満に近くなった事もあると思う。 そのとき私の涙が頬を伝った。 「…美桜?」 泣き止んだ乃愛は心配そうにこっちを見ている。 「どうした?」 「…ごめん、今日はもう帰ってくれないかな…?二人で輝の家に行ってもいいし…」 「何いってんだよ!目の前で幼なじみが泣いてんのにほうっておこるわけねーだろ!」 幼なじみ…かぁ。 涙の量が増した。 「ホントに…ごめん、ね…」 「美桜…」 「おね、がい…っ」 「…何かあったらすぐ呼べよ。…行くぞ乃愛」 「…ん」 「心配、しないで…ね…?」 「明日、ちゃんと話してよ?」 「…ん」 …バタン 何してるんだろ…私。 何、この気持ち…。 …ダメ。私は…輝が好きなんだ…。 でも彼女出来ちゃったし。発端は私なんだけど。 もう輝がこの前あんなことするから…。 気持ち抑えなきゃ。第一、私は乃愛の親友な訳だし。 「バカ輝…」 「なんだよ」 「わ…っ!?」気付けば窓の側に輝がいた。
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