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俺は走っていた。耳を塞ぎながら無我夢中で。あの言葉を最後に、部室からはゆうりの喘ぎ声が聞こえた。 俺はゆうりを見捨ててしまったんだ。俺は、ゆうりを。 「おぇっ…」 小さな公園の隅で、俺は暫く吐き続けた。吐いても吐いても、気持ち悪くて。胃液しか出なくても吐き続けたんだ。 ゆうりは俺らを庇ってあいつらと身体を重ねてた。俺らの為に。 「ごめんな…ごめんなゆうりぃっ…」
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