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「は、い…」
気づけば朝になっていた。自分がどうやって帰ってきたかも覚えてない。ただ、ずっと起きていたのは確かだ。
「りょう?お前大会だろ?まだ来てないってどうしたんだよ。サッカー部の奴らも電話したって出ないって言ってたから」
ゆとの心配する声が、電話越しに聞こえて、涙が零れた。
「熱、出てさ…」
「熱?大丈夫?動けないの?」
「少し、怠いんだ…ゆと、サッカー部の奴に休むって、伝えといてくれない?」
「それはいいけど大丈夫?俺、飯作りにでも行こうか?」
「お前、今日は学校だろ…俺は大丈夫だから…」
「そう?ならいいんだけど」
「なぁ、ゆと…?」
「ん?」
「今日、ゆうりを…一人にしないでくれ…」
「え?」
「頼む、頼むよ…お願いだから、ゆうりを一人にしないで…」
これ以上、ゆうりを傷つけないでくれ…
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