イチ

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ゆとside 目の前には、ベッドに寝ているりょうがいた。りょうを寝かしつける、これが俺の日課だった。俺がりょうを眠りに導かないと、彼はきっとずっと起きているだろう…ずっと…何日でも、何十日でも、体力が尽きるまで… りょうは、そういう奴だから。 これでも、前よりは随分と落ち着いたんだ、りょうは。ゆうりが死んでしまった直後は本当に酷くて、いつも死のうとしていたのだから。ご飯も一切食べなくて、声も全然発しなくて。抜け殻そのものだったんだ。 やっとここまで来れたんだ。やっと…。復讐が始まったんだ。俺は寝息をたてるりょうの部屋を後にした。
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