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暫く歩いていた二人。
柚「あ、そうだ!奈緒ちゃん、チョコ食べる?」
柚華がチョコを取り出し、奈緒に見せる。
奈「あ。ありがとう。私、チョコ好きなんだ。」
二人は歩きながらチョコを食べた。
奈「私ね、死んでも嬉しかった事があるんだ。」
柚「ん。なにそれ?」
奈「笑わないでね。あのね、…味覚があること。なんだけど。」
目をキラキラと輝かせ、嬉しそうに話す奈緒に、柚華は
柚「ふふっ。」
軽く笑い、
奈「あ、笑わないでって言ったのに!」
ちょっと傷付いた素振りを見せる奈緒に、
柚「いやぁゴメンね。ボクも奈緒ちゃんみたいに、『味覚がある』事が嬉しかったから。」
そう照れた様に笑いながら言った。
柚「あ、ボクが片付けとくよ。…ん?」
包み紙をポケットに仕舞おうとした時、なにか固いものが指に当たった。
柚「何だろこれ?」
スッと、抜き出した物は…
柚「あ。」
奈「え?どうしたの?」
思わず足を止めた柚華を不思議に思ったのか奈緒が近付いてくる。
柚「ねぇ、奈緒ちゃん。この記憶の欠片って、奈緒ちゃんのじゃない?」
柚華がポケットから取り出したのは、昨日、義春と共にフラグメントから回収した記憶の欠片。
今朝、柚華が着替えたときに持ち出していたのだ。
奈「う~ん。違うみたい。私はまだここに来て日が浅いし、フラグメントにもそんな遭遇してないし…」
柚「ふーん。成る程ねー。って、じゃあさ、フラグメントを一匹倒しに行こうよ!」
奈「へ?ちょ、ちょっと…?」
奈緒の手を引き、歩き出す柚華。
そして。
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