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○学校近くの森の中
柚「到着!だよ。」
奈「凄いね。木が鬱蒼としてる。何かそわそわしない?」
柚「おっ!奈緒ちゃんも落ち着かないんだ。ボクも朝起きてから何か、モヤモヤして落ち着かないんだよね。」
奈「私のそわそわしている、とあなたの落ち着かないは違うものだとは思うけど…」
柚「う。…ま、まぁそれより、奈緒ちゃんのアビリティを教えてよ。」
図星だったのかやや赤面し話を反らす柚華。
奈「良いけど…」
そう言って奈緒は服のポケット等からナイフを取り出した。
柚「おぉ~。ナイフかぁ。かっこいいね。」
奈「そう、かな…。私はナイフを持つと、凄く落ち着くんだよね。…でもそれと同時に恐怖と嫌悪感も沸くんだ…。」
小さく、悲しげに呟く奈緒に柚華は
柚「…奈緒ちゃんが、ナイフを持つと本当に落ち着けてそれを『大切』と思えるなら、きっとそれは優しいものだよ。今は恐怖や嫌悪があるかも知れないけど、いつかきっと奈緒ちゃんの中で『ナイフを持っている自分』が誇りになるときが来るはずだよ。」
そう優しく、強く言い切った。
柚「う、あっと。何か恥ずかしいね。…フラグメントも出てこないし、今日はもう帰ろうかな。」
恥ずかしさを誤魔化す様に言って歩き出す柚華に奈緒は
奈「…ありがとう、柚華ちゃん。」
後ろでそう小さく囁いた。
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