出会ってしまった二人

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沈黙が続く。周りから見たら完全に修羅場の感じなんだけど…、これ大丈夫なのか?  大家はゆっくり腕を組み、何やら考える素振りをした。あくまで考えている素振りなので本当に考えているのかわからないけれど…。 夏が近づく季節の変わり目、じめじめとしていて暑苦しい。こんな日にはアイスなどを食べてのんびりテレビでも見ていたい。汗が生き物のように絡みつき、べたべたする。  早く決めてくれないかな、大家さん…いや、大家様。 「よし!わかった」  大家が長い沈黙を破る。ついに天国か地獄の裁きが下される。 「明日まで家賃を待とう。それ以降はだめだよ」 「えっ…」 「ん?聞こえなかった?竣太くん」  いやいや、ガッツリ聞こえてたよ。聞こえていたけども…えっ?明日!?それはいくらなんでも無理な話でしょう。どこにそんな4万という大金があるんだ…学校休んで明日、目一杯バイトのシフト入れても無理だろうし…。  やっぱこのアパートから出ていくしかないのかな、なかなか好きだったんだけどなぁ。 「ねぇ竣太君…」 「何ですか?」  そんなときに大家はこんなことを言った。 「頑張ってね!」  うわ…この人悪魔だ…。  
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