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悔しい。確かに最初はからかっていただけだ。男に嵌まるの見て笑ってやろうって。
だけど違うんだ。今はもう、とーまくんに本気で惚れちゃってるんだよ。
「…高遠、」
俯いて、歪みそうになる表情を隠す。
「なーんてね!冗談だよーん。今日はもう帰るね」
とーまくんから離れ、教室の扉へ向かいながら顔を作る。
「また明日ね」
口元を緩ませ、張り付けた笑顔でとーまくんに手を振った。
相手にされてない。とーまくんは、俺のこと少しも好きじゃないんだ。
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