二章 責任

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手に持った太刀を水平に構え、上半身もそれに沿うように捻りながら突進の線上から僅かに逸らす。 勢いのついた突進に軌道修正は利かず、僅かに掠るような形で横をすり抜けてい く巨大な体躯。 スピードをそのままに転倒し、苦しそうにもがく。 堅い鱗で覆われているにもかかわらず、その脇腹にはザックリと深い切創が刻ま れていた。 その傷から血を滲ませながら立ち上がろうとするが、傷から血が吹き出るばかり で立つことは叶わない。 太刀を下段に構えたまま、その巨大な体躯に向かって近づく。
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