一章 邂逅

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薄く靄が掛かったような林の中。 東から太陽が覗き、靄が掛かった林の中を陽光が照らし出す。 その陽光を受けながら馬を駆る女性が一人。 たなびく黒の外套とペールゴールドのロングヘアー。 外套の下に覗く白い素肌。黒のチューブトップの胸元でボタンを留めた薄手の上着。 ベルトをあしらった淡い黄色のスカートからスラリと伸びた両足を覆うニーハイソックス。 その整った顔立ちの口は固く結ばれ、服装にそぐわない黒い革ベルトの先に繋が った反身の太刀と雫を模ったピアスが右耳で揺れる。 東から上る太陽の日を浴びながら、女性は馬をひたすら走らせる。 揺れる視線の先には打ち捨てられて間もない村が見えてきていた。
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