一章 邂逅

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ところどころに何かが擦れたような跡と血痕、鎧の破片や何かの鱗と見られるも のが通路に散らばっている。 恐らく屋内で戦闘があったのだろう。 周囲を警戒しながら奥へと続く通路を進む。 奥に続く通路の途中で差し掛かったドアを、太刀に手を添え肩で押し開けるよう にして中の様子を窺う。 甲冑を着たまま何かに抉られたかのような傷跡を残した兵士の亡骸が部屋の隅に 転がっている。 その他にも村の住人だろうか・・・騎士団の服装ではない亡骸も幾人か見受けられ る。 「こんな狭い場所にこの数の遺体・・・」 漂う死臭を払うような動作を交えながら亡骸達に背を向け部屋を後にする。
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