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「犯人はこいつね」
怒り任せに突っ込んできた巨大生物の攻撃を横に飛び退くような形で避ける。
止まり切れずに反対側の壁を突き破り、そのまま無理やりこちらに体を捻るよう
にして振り向く。
先程こそげ落とした部分から赤い鮮血がじんわりと滲んでいる。
「・・・あなたが殺した人数分、鱗でも剥がさせてもらおうかしら」
刺々しい鱗で覆われたその巨大な生物は荒ぶるような鳴き声を漏らし前肢を高く
持ち上げる。
青みを帯びた刀身の切っ先を真っ直ぐに向け、体も正面に構え膝を曲げるように
して体勢を低くする。
「最後は命で償ってもらうけどね」
整った顔の目を細めるようにして言葉を放つ。
それに呼応するかのように、巨大な体躯を揺らしながら突進を仕掛けて来る相手を迎え撃つように剣筋が閃いた。
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