二章 責任

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静まり返った沿岸の名も無き村。 人の気配はないが、人々が最近まで暮らしていたであろう形跡が各所に見て取れる。 家屋は綺麗なまま残り、洗濯物が潮風になびいている場所さえある。 人が消えた静かな村の奥、物々しい雰囲気を漂わせる王国騎士団の詰め所だった 建物から巨大な体躯を有した生物が壁を突き破るようにして飛び出してくる。 巨大な生物に比べると小さい人影らしきものも後を追うようにして建物の外へと 飛び出る。 その人影が構える青みを帯びた刃を有する反身の太刀には、紅い鮮血が纏わり付 いている。 血払いをするかのように太刀を一振りしたあとに、巨大な生物に向き直るようにして再度構えを取る。
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