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――シューッ!
…ぽとり。
僕は勝った。ヤツは動かない。
僕は急いで割り箸でヤツを捕らえる。
そうして、しばらく大きなヤツを眺めていた。
こんなヤツに奪われた静寂。こんなヤツに奪われた日常――。
きっとこいつは主に違いない。
…主?
何故だろう。
そう思った瞬間、僕は無数の視線を感じた。
それをヤツも察知したのか止まっていた足が、体が動き出す。
ウネウネ、ウネウネと。
だけど、今僕の恐怖はそこにはない。
ほら、聞こえない?
僕の後ろから無数に聞こえるヤツらの音が――。
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