第1話

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僕はあまりの大きさに驚き、逃がすまいと殺虫剤をかけた。 これでもか…と逃げ惑うヤツを追いかけてかけまくる。 そうして、壁まで追い詰めた。 普段のヤツなら、容易く登るであろう壁も、今は登れないのか畳と壁の間をウネウネとする。 その姿を見ながら殺虫剤をかけるのは気持ちのいいモノではない。 けれど、今ここでヤってしまわなければ後悔する事になる。ヤツに怯えて暮らすのは床を同じにする以上に嫌だ。 ――シューッ。 そうして、弱りきったヤツを割り箸で捕らえた。 生命力の強さに圧倒される。 大量に殺虫剤を浴びたというのに、箸と箸の間をウネウネと動いている。 得体の知れない恐怖に包まれた。
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