第1話

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僕は慌てて、さっきまでヤツの行く手を邪魔していたコンビニ袋に手をやると、ヤツをそこにストンと入れる。 それでもヤツは動いている。 用心しなくてはならない。 僕は袋の底にヤツの存在を確認すると、殺虫剤をかけコンビニ袋の口を塞いだ。 ――もう動くとは思えない。 そんな安心感も束の間、袋の中を弱々しく動く。 カサ…カサカサと音がする。 恐怖は消えない。 イヤ、前よりも増した気がする。 僕は慌てて、しまい込んでいたコンビニ袋も取り出し、二重に閉じた。
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