第1話

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――なんて一日だ。 ヤツの存在をゴミ箱の一番奥に葬り去る。 変わらない日常。そこに現れたヤツの存在。 たったそれだけなのに、とてつもなく最低な一日を過ごした気分になる。 僕は飲みかけのビールをゴクリと飲んだ。 そうしてまた、僕の世界は静寂を取り戻す。 しばらくして、どうしようもなく誰かに言いたい。 そんな気分になりネットに触れる。そして、ヤツとの激闘を呟いてみた。 最低な一日のまま終わらないように…。 まぁ、呟いた所でなにもない。 それでも、何となく面白い方向に変わりそうな気がしてくるから不思議だ。 しばらくして一件。書き込みがあった。 『ヤツはたいてい二匹でいるよ。気をつけて…』 並んで歩くという意味か? 見かけたのは一匹。 僕の手の中指よりも長いヤツ。
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