結愛視点

2/3
前へ
/7ページ
次へ
始めまして読者のみなさん! 南雲結愛です。医師の卵で、父のような立派な医師を目指す16歳です。 今は雨は降っていないけど、さっきまで降っていたしいい天気とは言えない状態かな。 さっき明人君から連絡が入って『成実と3人で栗金時買いにいかねぇ?』って言われたんだ。今は診療所は午前の部が終わって休憩中で、先輩医師が留守番してくれるって言ってくれてる。なので、栗金時を買いに行くために成実さんのアパートに向かっています。 えっ、私と2人の関係? 詳しくは知らないけど、2人のお父さんが私のお母さんの仕事先の先輩だったらしくて、特に明人君のお父さんはお母さんの教育係だったみたい。 その縁もあってか私たちはすぐに仲良くなれたの。 今回、明人君が栗金時を買いに行こうって言ってきたのは双子の未来ちゃんとお父さんの為だよ。きっと。 あっそうそう、私たち三人とも実は兄弟がいるんだ。 成実さんには13歳の弟さん、明人君はさっき言ったとおり双子(2人とも自分が年上って言っててどっちが姉か兄でも揉めているの)がいて、私には15歳の弟がいるよ。 えーと? 成実さんが一番上でびっくりしたって…… あっ~!? 成実さんがだらしないから一人っ子か末っ子かと思ってたでしょ。 ああ見えて成実さん、いざという時にはすごく頼りになるんだから。 普段は確かにだらしないけど……。 明人君は逆に無理をしてしっかり者になろうとしてる節があったかな。今はある人の影響で心に余裕ができたみたい、よかったね明人君。 あっ、成実さんが借りているアパートについたよ。 扉の前に行って呼び鈴を押そうとすると、その前に扉が開いて成実さんが出てきたの。 そのままジェスチャーで促されるまま、アパートの共用スペースに入ってそこにあったソファに座ると、漸く成実さんは口を開いてくれた。 「今幻影とお嬢が昼寝してるんだ。呼び鈴を鳴らすと起きる可能性があるから……」 「成実さん……やっぱり優しいね」 「いや、2人が起きると煩くてかなわないから」 って言ってるけど、やっぱりこの小さな心配りができる人って偉大だと私は思うな。 私は周りを見回してみた。明人君の姿が見えないからまだ来てないのかを確認すると、成実さんはうなずいた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加