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ヨコはほんまに俺が来るまで車で待っとった。
運転席で本に集中しとる横顔がちょっとカッコ良くって、『ほんまにクールマンやん』なんて思て、しばらく見ときたかったけど、やめた。
「終わった?」
俺に気づいたヨコはウィンドウを下げて、白い顔を覗かせた。
「ヨコ、トイプー。」
「え?」
「フラちゃんですよ~」
ヤスが窓越しに愛犬を紹介すると、ヨコはびっくりして、
「うわ!トイプーや!トイプーや!」
て連呼。
だからトイプー言うたやん。
興奮したヨコは、居ても立ってもいられんって感じで車から飛び降りてきた。
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