手をつないで

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俺は、一目見たときからたっちょんを好きになってしまったので、はじまりのことはよう覚えてんねん。 たっちょんは、細かいストライプの入ったグレーのスーツに薄い緑色のクレリックシャツで、夏やったからネクタイはしてへんかった。 まっすぐな足を邪魔そうに折り曲げて座って、美味しそうにご飯食べて、明るい色の前髪は目にかかるくらいの長さで、襟足はくるっとハネてた。 それがパーマちゃうくて、天パやって知ったのは、それから1ヶ月後くらいやったかな。 優しい二重の目が好きで、でも、その良さをどうやって表現すればキチンと伝わるんかわからへん。 こういう時にうまいこと比喩みたいなんがぱっと浮かぶとええねんけど、俺には思いつかん。 でも、うまく言葉にできひんのは、誰にもわからんってことで、つまりは、俺の思うたっちょんの良さは、今のところ、俺だけのもんってことやんな。
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