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「もぉ、ぼんやりしとったらあかんで?」
「ごめん」
手首のあたりを掴んでいた大きな手は、自然に下におりていって、俺のちっさい手をぎゅっと握って絡まった。
「だいじょぶなん?」
「暗なったし、だいじょぶやろ」
やっぱり、それなりの会社の経営者の息子が男と付き合っとるっちゅーのは、あんまり体裁がよろしくないわけで、今住んどるマンションも会社からはけっこう離れてんねん。
おかげでペット飼えるええ条件の物件みつけたけど。
手をつないだまま、ふらふら散歩して、目線の下にあるフラのもこもこしたしっぽを見ながら、公園に入った。
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