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「どっくん、穏やかやないなぁ」
「あっ!よっかあま君!聞いてやぁ。こん業者むっちゃ腹立つねん!夕方までに連絡するって言うてて、今何時やと思ってるん?7時やで?フツーの会社の業務時間は9時5時やっちゅうてんねん。でな!今来た答えがやで?納期間に合いませんって。ふざけとんのかっ!」
業務時間外の営業ミーティングを終えた色白の上司が、電話で業者を罵倒してる俺を気にしてふらふらやって来たんは午後7時過ぎ。
会社に残ってるのは俺とよかーま君たち役職付の営業マンだけ。管理職になると余計なミーティングとか監査とか研修とか増えるから嫌やなぁ。
俺、一生ヒラで自由にやりたいわ。
「で、どうしたん?」
「他の仕事のけて、俺の仕事優先せぇゆうたった」
「間に合うん?」
「間に合う間に合わへんちゃうねん。きっちり時間守んのが仕事やねん。不況こそスピード重視やん。『間に合わへんから延ばして』なんて甘っちょろいこと言うてたら次から仕事なくなんで!」
よかーま君は俺の顔を見て、ちょっと困った顔して頷いた。
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