愛がなくちゃ

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俺が起きるとまるが眠る。 そんな生活がここずっと続いてる。 ひきずるように昇る足音が階段に響く。 夜勤明けのまるが帰ってきた。 俺、準備せなあかん時間や。今日くらい、迎えたるか。 「ただいまぁ…」 まるが靴を脱いでいる間に、とととっと玄関へ向かった。 「…おかえり。」 そう言うて、玄関口で疲れ切ったやらかい体をぎゅっと抱きしめた。 「すばる君、どしたん?嬉しいことしてるれるなぁ。起きてたんやぁ…」 あ、こいつ俺が言うたこと忘れてるわ。 「すばる君?」 優しく俺の顔を覗き込む顔は、どうしようもなく疲れてる。 頬に触れる手は、相変わらずにちゃっとしてはいるけど。
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