君にささげよう

5/10
前へ
/100ページ
次へ
* コンビニに戻るんが恥ずかしくて、弁当を買いそこなったまんま、結局薬局で調達。丁寧に紙袋で包装されたものをヤスに渡す。 「ありがとぉ~」 「何に使うん?」 「ケツから血が出るとき使ってんねん。パンツ汚れるやん」 「……」 飄々と物凄いことを言い放った恋人を俺は無心で抱きしめてた。 「ごめん」 「フツーやろ?」 「イジョーやで」 「多分信ちゃんもしてるんちゃう?」 「嫌や想像したない」 「言うても血ぃ出るなんてちょっとやから、気にすることないで?」 「ヤスが悪い」 「何でやねんなぁ」 「ヤスが可愛すぎんねん。だから、俺、とめられへんねんもん」 「可愛ないやろ?俺、別に」 「可愛いで!」 「あ、ありが…」 顔を両手で挟んでヤスを見たら、一瞬目があったあと、逸らされた。なんでっ? 「お腹減った?出前とろか?」 「それはお前やろ!ちぃちゃんや!」 「あ、そやった」 「どこにもおらんねん」 「窓もドアも鍵閉めてたんやろ?」 「おん」 「なら家におるはずやん」 「それがおらんから困ってんねん!」 「あれ、なんやったけ。ちぃちゃんの好物。あの缶詰め開けてみようや。出てくるかも」 「そんな簡単にいくかのう?お前ちゃうし」 「なんやねん、さっきから。俺が食いしん坊みたいやんか」 「食いしん坊やんけ」 「はっはっは!そうでした☆」 ちぃちゃんお気に入りの缶詰開けた後、俺の腹の虫が騒ぎ出したんで出前とって腹ごしらえしながら様子をみてみることにした。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

147人が本棚に入れています
本棚に追加