いっさいがっさい

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* 翌朝。 「すばる君、おっはよ~っ!」 わぁ、朝からテンション高っ。 てか、バスローブ脱げてもて、フルチンやん、お前。なんか着ろ。 あ、俺もや。 「なあなあ、ええのんできたから、聞いてっ」 朝日を背中から受けた笑顔全開のまるは、素っ裸のまんまボディービルのポージングを次々と繰り出しつつ、洋服の青山のCMソングの曲調で、 「♪よ・お・ふくぅ~が・あ・れ・ば・なっ!」 て、歌い終わってドヤ顔。 「はははははは!」 「ええやろ?な、ええやろ?」 「はははは!ふ、服、服ないから、青山にも買いに行けへんねや…」 「そーやねん!あったら買いに行けんねんでってメッセージ。」 「はははははっ____は、腹痛い」 腹抱えて、涙流しながら笑う俺見て、満足そうににひゃあって笑ろたまるは、人差し指で俺の鼻の頭をつついた。 「朝ビュッフェ行こ~。食べ放題やで~。」 「…ごめん、まる。お前ひとりで食うてこいよ。」 「ええ~。淋しいやん」 「悪い。あんまりゆっくりしてる時間ないねん。」 「そうやんな」 あからさまにしょぼくれたまるは、とぼとぼと洗面台に向かう。 俺はその尻を見ながら、昨日と同じYシャツとスーツを着て、いつもは全開にしている襟を一番上までとめた。 やっぱり青タンになってたから。 洗面台からなんかごそごそ音がするから、「どした?」って覗いたら、ホテルのアメニティをごっそり袋に詰め込んでるまるがおった。 「これ、持って帰ってええやつやんな?」 「おおん。ええんちゃう?でも、使うか?それ。」 「めっちゃええ匂いするで、このシャンプー。昨日は色々夢中で使えへんかったからさ…」 頬を染めるな。こっちが恥ずかしい。 「まる」 「なにぃ?」 「今日で研修終わりやねん。終わったら、カラオケで打ち上げしよって話になってるから……お前も来るか?」 「え!ええの?行っても!」 「ヒナもおるし、大丈夫やろ」 「うわぁ~あ。むっちゃ嬉しい!____『マイスイートラバー』って紹介してなっ!で!『ハニー』って呼んでくれたら、『なんだい、ダーリン』って扉あけるで」 「そこはアレンジさせてくれ」 「なんでやねぇんっ!」
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