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しばらく読書をして、時計をみると9時40分をさしていた
家から高校まで徒歩で20分くらいかかる
そろそろ出たほうがいいだろう
「早希、先にいくからな」
俺が声をかけると、自分の部屋にいたらしい早希から
「おー、入学式が始まる頃には行くから~」
と答えが返ってきた
中身がほぼ空の鞄を手に取ると一声
「いって来ます」
だれに言うでもなく告げ、外に出た
天気は快晴
春特有の、あの暖かな空気が身体を包んでいる
コンディション的にこれほど入学式に相応しい日もないだろう
ゆっくりと通学路を通り高校に向かう
街道沿いに咲く梅の花が綺麗だ
きっと高校の校庭の桜も満開だろう
なんとなくこれからの高校生活に希望が持てる気がして、俺は足を速めた
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